日本股関節学会学術集会に参加して学んだこと

       

 

変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。

2020年10月23日(金)から10月24日(土)の2日間

第47回日本股関節学会学術集会が開催されました。
今年は三重県四日市で開催されましたが、コロナの影響もあってインターネットでの参加も可能となりました。

私もギリギリまで現地参加にするかインターネット参加にするか迷いましたが、最終的にはインターネットで参加することにしました。

メディカル・アロマケア体験会

この日本股関節学会学術集会

昨年は業務多忙のため参加できませんでしたが、2018年に参加した際は大変勉強になったことを記憶しています。

今日は、今回の参加で私が学んだことをまとめてみました。

リハビリと栄養療法

最近のリハビリでは、運動療法だけではなく栄養療法が取り入れられています。

特にアミノ酸の摂取が重要で、筋組織の修復が促されるため筋肉がつきやすくなります。
アミノ酸は体内で作ることができない成分のため、外からの補給が不可欠とのことでした。

イメージトレーニングを取り入れたリハビリ

ある病院では、リハビリにイメージトレーニングを取り入れています。

リハビリ時、患者に30秒の歩行ビデオを見せ、動いている自分を思い描く訓練を行います。
そうすることで実際に動くときの集中力が高まり、リハビリの効果が大きくなるそうです。

この方法は、スポーツ選手のトレーニングでも使用されていますね。

人工股関節手術後のスポーツ活動の現状と課題

人工関節手術の進歩で関節の安定性が向上した結果、現在スポーツ活動は推奨されています。

ただし、人工股関節でスポーツ活動を行った場合の長期の影響は、まだまだエビデンス(ある治療による効果を推定した確信)が乏しい状況です。

例えばアメリカでは、人工股関節手術後の推奨スポーツとして、ゴルフ、水泳、サイクリング、ハイキング、ダンスが挙げられています。
また、術前に既に経験済みのスポーツとして推奨されているのは、スキーとスケートです。

一方、認められていないスポーツには、ジョギング、野球、コンタクトスポーツ(サッカーなど)があります。

しかし、他の国々ではまた違った見解もあり、人工股関節手術後の推奨スポーツとしての世界基準はまだまだ定まっていないというのが実情のようです。

やはり医師の技術力とリハビリの運動量によって患者ごとに回復力が違うため、一律に判断することは難しいのでしょう。

脱臼について

現在の人工股関節の脱臼率は、0.1~0.2%の割合となっており、ほとんどないと言っても良いかもしれません。

また、この数字は手術における技術的な問題ではなく、例えば、患者がアルコール性骨頭壊死、認知症、パーキンソン病(骨の変化による)など他の病気を患っていることが起因となって起こる場合が多いようです。

いずれにしても、脱臼については手術をおこなう医師の技術力が一番重要だと感じました。

今回の学会は

同時にいくつもの講演が開催されましたので、全ての講演を聴講することはできませんでした。

ただ、スケジュール表を前もって確認することで必要だと思うプログラムに絞って効率的に受講することができました。

また、英語を多用した医学用語が当たり前の使われていたため、事前にもう少し医学用語を勉強すべきだったと感じました。

いずれにしても最新の医学情報を学ぶ中で分かったのは、日本の整形外科における股関節分野の役割はますます拡大傾向にあるという点です。

まだまだお伝えしたいことはたくさんありますが、また別の機会に書かせていただくことにいたします。

今回の記事が、あなたの闘病生活に少しでも役立つことを願ってやみません。

 


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