
変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
今回は、人工股関節手術が終わり、ホッとしている患者さんにご覧いただきたい内容です。
人工股関節手術直後のリハビリの目的、理解していますか
それは、
・通常の生活ができる状態まで回復させること
・人工股関節の動きを再学習&再獲得すること
の2つを実現することです。
これに関して、最もネックになるのが“動き方の癖”を治すこと。
なぜなら、手術によって股関節の痛みはなくなりますが、患者の身体は術前の体の使い方や動き方を記憶したままの状態だからです。身に付いた”動き方の癖”は手術では治らないので、”動き方の癖”を治すのは本当に大変です。
今回は
私の実体験から得た”動き方の癖”を治すためのポイントをお伝えします。
医師も理学療法士もあまり触れないテーマですが、術後の方は特に意識してください。
私の”動き方の癖”
私は、2010年に左股関節、2012年に右股関節の人工股関節手術を行いました。
2010年の手術は左股関節が末期のときに行ったのですが、それまでずっと痛む股関節をかばうために歩行時に体を左に大きく傾ける動きを続けていたため、”変な動き方の癖”が身体に染みついていました。
この”動き方の癖”について
手術した病院で担当してくださったベテランの理学療法士からは
「手術で股関節の痛みはなくなるけど、体に染みついてしまった癖を取るのはかなり難しいよ」
と言われました。
当初、私はその言葉がピンと来ていませんでした。
ただ、術後1年間、自宅でベテランの理学療法士から指導されたリハビリメニューを毎日続けていたにも関わらず体に染みついた癖がなかなか治らなかったことで、その意味を痛感しました。
そこで私は様々な試行錯誤を行いました
何人ものパーソナルトレーナーに指導してもらい、何とか私に合う方を探し当てました。
そこから数年間、パーソナルトレーナーの指導を継続したことで、ようやく体に染みついた癖を治すことができたのです。
本当に長い道のりでした。
このように
体に染みついた「動き方の癖」を治すには、年単位の時間が必要になります。
加えて、手術が終わって股関節の痛みから解放された患者さんは、日々の仕事や生活に追われてリハビリをしなくなることも非常に多いです。その場合、”動き方の癖”は一生改善されないままになってしまいます。
怖いのは
”動き方の癖”が残ったままの状態を放置していると、身体の他の部位に痛みが出てくること。
結果として、せっかく手術したのに前よりも調子が悪くなったと感じたり、最悪の場合には人工股関節の再置換が必要になるトラブルに発展することもあります。
では”動き方の癖”を治すにはどうしたらいいのでしょうか
結論は、”正しいリハビリ運動”と”自分に合う股関節ケア”を両輪として継続することです。
ここでいう”正しいリハビリ運動”とは
・リハビリの際に常に自分の股関節などの身体の状態を正確に把握し
・その状態に合うリハビリ運動を、正しい回数・やり方で行う
ことを指します。
また、”自分に合う股関節ケア”とは
・リハビリ運動で酷使した股関節周辺の筋肉のケアを行い、過剰な負荷を通常の状態に戻す
ことを指します。
これらをきちんと理解した上で
「リハビリ運動と股関節ケアの両輪」という考え方に基づいた闘病の取り組みを進めることでしか”動き方の癖”を治すことはできません。
その際、この取り組みは”動き方の癖”を身に付けたのと同じかそれ以上の期間継続することが必要だ、とキモに銘じておく必要があります。
今回は
私の実体験から得た”動き方の癖”を治すためのポイントをお伝えしました。
手術が終わって一息ついたばかりの患者さんには少し厳しい内容だったかもしれません。
ただ、「リハビリ運動と股関節ケアの両輪」を継続することで、その後の生活の質が大きく上がる可能性は高いです。できるところからでよいので、ぜひ取り組んでください。
「よくわからない」「ここを聞きたい」など疑問をお持ちの方は、個別相談付きメディカル・アロマケア個別体験会や井口由紀子の個別相談でアドバイスをさせていただくこともできますので、うまく活用してください。
この記事が少しでも役立つことを願ってやみません。
患者目線から見たお役立ち情報を知りたい方へ
メールアドレス入力するだけで
定期配信するブログ記事とyoutube動画をすぐにご覧いただくことができます。
ぜひご登録下さい。
※本サイトのコンテンツは全て著作権で保護されております。
悪質な場合は法的措置を取ることもございますので、無断転載は固くお断りいたします。