変形性股関節症の「手術療法」についてまとめました

手術療法

※2018年4月11日、内容を全面的にリライトしました。

変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。

保存療法で十分な効果がでなかったとき、「手術」を検討する場合があります。
変形性股関節症の場合、手術療法は大きな治療法の一つ。

今日は、手術療法にどんなものがあるのかをまとめてみました。

メディカル・アロママッサージ

手術療法

手術療法には、以下のようなものがあります。

 ・ 関節鏡視下手術
 ・ 骨切り術
 ・ 人工関節置換術
 ・ 筋解離術
 ・ 関節固定術

関節鏡視下手術(かんせつきょうしかしゅじゅつ)

手術方法

股関節周辺に小さな孔(あな)を2~4か所開け、関節内に内視鏡のようなカメラを入れ、他の孔から手術器具を入れて処置する。

特徴

前期、初期、進行期、末期まで、どの段階でも受けることが可能。

対象

前股関節症、初期股関節症で関節唇損傷がある場合。
進行期股関節症で片側のみの場合。

入院期間

2週間~1ヶ月以上(それぞれの病期によって異なる)

手術のメリット

傷痕(きずあと)が小さくて済むので体の負担が少ない。

手術のデメリット

暫定的な処置のため、効果の持続期間に限りがある。
再度悪化した場合、人工関節置換術をする場合がある。

骨切り術(こつきりじゅつ)

病気のよって主な手術方法が変わってきます。

前股関節症、初期股関節症の場合

主な手術方法として
 ・ 寛骨臼移動術(かんこつきゅういどうじゅつ)
 ・ 寛骨臼回転骨切り術(かんこつきゅうかいてんこつきりじゅつ)
がある。

※2つの名前を書いていますが、1つの手術法と考えて下さい。

手術は、
 ・ 骨盤側の寛骨臼(かんこつきゅう/お椀を逆さまにした屋根部分)から2センチ程奥をノミで切って切り離す
 ・ 骨頭(こっとう/球の形をした部分)を十分に覆うように切り出した寛骨臼をずらし、ピンで固定する
の流れで進められる。

外側にずらした寛骨臼によって骨頭が深く包み込まれるので、股関節が安定する。
ただし、年齢が若くて大腿骨頭(だいたいこっとう)に変形がない場合なら、進行期で行われることもある。

進行期股関節症の場合

 ・ 外反骨切り術(がいはんこつきりじゅつ)
 ・ キアリ骨盤骨切り術(きありこつばんこつきりじゅつ)
   または「臼蓋形成術」(きゅうがいけいせいじゅつ)
などがある。

両方とも、大腿骨頭の屋根部分を覆うことで股関節を安定させる手術。
なお、
 ・ 外反骨切り術(がいはんこつきりじゅつ)は、大腿骨頭の角度を変える
 ・ 臼蓋形成術(きゅうがいけいせいじゅつ)は、寛骨臼の屋根根部分を広げる
といった違いがある。

また、股関節の変形が進行した場合には、上記2つを併用するケースも多い。

入院期間としては、股関節に全体重をかけることができるまでに1~2カ月かかる。
退院後も無理のない程度にリハビリを継続していく。
ただし、人工股関節手術に比べると、入院期間も退院後のリハビリ期間も長くなる。

術後、ベッドで寝ていると下半身の血流が悪くなるので、血栓ができやすくなる。
その点に術後一週間は、注意が必要。

人工関節置換術(じんこうかんせつちかんじゅつ)

手術方法

人工の寛骨臼と大腿骨頭がセットになっていて、それぞれを骨盤と大腿骨に埋め込み固定する。

特徴

股関節の変形がかなり進み、他の治療方法が困難な場合に行われる。
傷んだ股関節を取り除いて、人工関節に取り換える手術。

対象

主に50代以上の進行期股関節症、末期股関節症の患者さん。

入院期間

2~3週間程度

手術のメリット

痛みがなくなり、術後の日常生活が劇的に改善される。
比較的短期間で、社会復帰することができる。

変形性股関節症が進行すると、左右の脚の長さが生じる場合があるが、人工関節手術により元に戻すことができる。

ちなみに、私は仕事に早期に復帰したかったため、この手術を行いました。
上記のメリットは肌身で実感しております。

手術のデメリット

人工関節の耐用年数に限りがある。
ただ、現在は技術の進歩により、20~30年以上もつと言われている。

ただし、人工関節の摩耗、緩み・脱臼などがある場合、再置換が必要となる。

筋解離術(きんかいりじゅつ)

手術方法

筋肉の一部を切って、股関節の痛みを緩和する方法。

特徴

3つの筋肉(内転筋、腸腰筋、大腿直筋)の腱を切る。
手術中の出血は少なく、術後の痛みはそれほどない。

対象

関節鏡視下手術、骨切り術、人工関節置換術が難しい場合に行われる。

入院期間

一ヶ月弱

手術のメリット

手術時間は、1時間前後。
出血が少ないため、術後の痛みも強くはない。
この手術を行うことで、股関節の痛みの緩和につながる。

手術のデメリット

術後の関節の動きはよくなるが、筋力が完全に回復するわけではない。
そのため、立ち上がりや歩行等がスムーズにできない場合がある。

重労働の仕事をしている人や筋力回復が難しい70歳以上の高齢者には、おススメしません。

関節固定術(かんせつこていじゅつ)

手術方法

寛骨臼と大腿骨頭の一部を削り、金属のプレートやピンなどで固定する。

対象

重労働の仕事をしている20~30代の男性。
人工関節置換術が難しい場合に検討される。

入院期間

約2カ月

手術のメリット

股関節を動かないように固定することで、動作の負担や股関節の痛みをなくす。

手術のデメリット

股関節を固定するため、可動域がなくなる。
結果、どうしても腰や膝に負担がかかってしまうため、痛みが出る場合がある。

また、脚を引きずるような歩き方はリハビリ後も残ってしまう。

まずは現在の股関節の状態を知ることが重要です

今日は、手術についてまとめてみました。

ただ、実際には手術を行うか、保存療法でいくかを判断するためには、まずは股関節の状態を知ることが重要です。
その上で、これからどのように人生を過ごしていきたいのかを考えた上で、最善の選択をすると後悔がないと思います。

この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

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