変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
最近急に寒くなって、股関節の痛みが出てきている方が増えているのではないかと思います。
特に最近、術後の患者さんで痛みを訴える方が増えてきていることに大変懸念をしています。
手術をして股関節の痛みが無くなっているにも関わらず
体の他の部位が痛んだりしているのはどういうことなのでしょうか?
私の経験上、それは、圧倒的にリハビリの質と量が足りていないせいだと思います。
私の事例で申し上げると
私は術後股関節の痛みは一切ありませんでした。
また、体の他の部位に異常を感じることも全くありませんでした。
手術の傷口についても、今まで一回も痛くなったりかゆくなったりしたこともありません。
嘘と思われるかもしれませんが、これは、本当です。
もちろん数年前までは
跛行(歩行時に体を揺らす)が原因の腰痛はありました。
ただ、これは長年の闘病生活からくる体の癖によるものであるため、大ベテランの理学療法士の先生からも相当時間をかけないとこの癖は治らないと言われていました。
しかしながら
最近私が見聞きする痛みは、術後のリハビリの質と量の問題から来ているものが大多数です。
体の他の部分の痛みや違和感を覚える患者さんが多いことは実に心配なことだと思います。
これは、入院期間の短さ、理学療法士の技量、執刀医と理学療法士とのリハビリ連携、患者による自宅でのリハビリ運動の継続がなされていないことが原因として挙げられます。
また、人工股関節を入れた後に日常生活においてお構いなしに動き回ってしまうようになった結果、その後に疲労が溜まってしまい、体に違和感を覚える方も多くいらっしゃいます。
術前はほとんど動けなかったにも関わらず
術後まだ十分に筋力がついていない状態でフルに動いてしまうと、体がびっくりしてしまい疲労サインを送るのです。
「体を少し休ませて!」というサインを受けたら、休息することがとても大切です。
私の主治医によれば、
「人工股関節にすると動きたいだけ動けてしまうから、徐々に運動量を増やしながら慣らしていかなくてはいけない。」ということをよくおっしゃっていました。
私はその言葉を守り、自宅では術後1年間「リハビリ運動+股関節ケア」を継続していました。
外出も少しずつ増やしていったので、体に何の違和感もなく元気に生活ができております。
加えて、理学療法士の技術的な問題も影響が大きいと考えられます。
技術的な差を埋めるために、医者と理学療法士の連携が非常に重要になるでしょう。
現在のリハビリの最大の課題は
患者さんが適切なリハビリ運動を受けられていないという現実だと思います。
これは、協会で相談を受ける患者さんのほとんどが該当する問題であることからも明らかです。
この問題を解決するためには、私がいつもお伝えしているように、技術のある専門家による「リハビリ運動の指導と股関節ケアの両輪」の継続が必須となります。
この記事が、術後の患者さんにとって役立つことを願ってやみません。
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