変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
変形性股関節症の「保存療法」。
変形性股関節症と診断され、保存療法に取り組んでいる方も多いのではないでしょうか。
今日は、保存療法についての3つのポイントをお伝えしようと思います。
日々の保存療法への取り組みのヒントになれば幸いです。
保存療法とは
まずは、保存療法についておさらいしておきます。
保存療法とは、股関節の痛みを取り、変形性股関節症の進行を抑えるためのものです。
大きく分けて以下の3つの内容に分かれます。
・ 日常生活の見直し
・ 運動療法
・ 薬物療法
日常生活の見直しでは、股関節にかかる負担を減らすための動作をなるべく避ける形で日常生活を送ることができるように見直します。
例えば、しゃがみこんだり、かがんで作業したり、といった動作をなるべく行わずに済むような工夫をする、というイメージです。
運動療法では、変形性股関節症の進行を遅らせたり、痛みを軽減するための筋力強化の運動を行います。
理学療法士が考案した運動メニューに沿って行うことが多いです。
薬物療法とは、股関節の痛みがつらい時に処置を行うことを指します。
一般的には、飲み薬、湿布と塗り薬、坐薬、注射などを行います。
この3つですが
・ 日常生活を見直して、股関節への負担をなるべく減らしながら
・ 運動療法で股関節に負荷がかかっても耐えられるようにする
・ 我慢できない股関節の痛みには、薬物療法で応急対処する
というのが基本的な考え方になります。
保存療法で意識すべき3つのポイント
一つ目は
日常生活を見直して、運動療法を行うのが基本、ということ。
変形性股関節症と正しく向き合うには、なるべく股関節への負担を避け、股関節に負担がかかっても耐えることができるようにすることが非常に重要です。
その際、理学療法士による運動メニューの他に、ひざや股関節に詳しく指導経験が豊富なスポーツトレーナーやパーソナルトレーナーによる運動も併用することをおススメします。
2つ目は
運動療法は股関節ケアと合わせて行うのが基本、ということ。
運動療法は、保存療法の中でも中核となる非常に重要なものです。
ただ、実際に相談を受ける中で、運動のしすぎで逆効果となっている方を見かけます。
私自身の実体験からも確信をもって言えるのですが、運動と股関節ケアは両輪となるものです。
どちらかが欠けても、うまくいかないと思います。
3つ目は
薬物療法の頼りすぎに注意、ということ。
特に末期になり、常に股関節の痛みがひどい状態になると、薬物療法に頼りがちになります。
もちろん、ひどい股関節痛を何とかするために薬物療法も必要ですが、副作用もあるので、注意が必要です。
薬物療法については、主治医とよく相談しながら、上手に利用していくことが大切です。
3つのポイントを押さえてうまく保存療法を進めて下さい
変形性股関節症の闘病は、長期間に渡ります。
3つのポイントを押さえて、うまく変形性股関節症と向き合って下さい。
この記事が少しでもお役に立つことを願ってやみません。