変形性股関節症と正しく向き合う会代表理事の井口です。
「リハビリ難民」という言葉、ご存知ですか?
先日、テレビ番組をみていたのですが、その中で元スピードスケートの清水宏保選手が高齢者向けの自費リハビリ施設を経営しているという話題が扱われていました。
新聞でも、最近亡くなられた歌手の西城秀樹さんが、自費リハビリ施設で脳梗塞のリハビリを行っていたいう記事を目にしました。
これらは全て「リハビリ難民」問題を解決するための「自費リハビリ施設」に関するもの。
今日は、この「リハビリ難民」についてお伝えしようと思います。
リハビリ難民の問題は、今後ますます大きくなることは確実です。
今後のご自身のリハビリを考える一つのヒントとして、ぜひこの記事をご覧ください。
リハビリ難民とは
公的医療保険や介護保険適用のリハビリの日数や回数が制限され、回復が中途半端になってしまう人のこと。
ご存知の方も多いかと思いますが、病院で受ける医療保険のリハビリは最大180日ということが決まっています。
この期間が終わると、仮にリハビリが中途半端な状態でも退院となってしまうのです。
そのような人は、基本的には介護保険のリハビリを続けることになります。
ただ、こちらも回数や時間が制限されています。
つまり、国が面倒を見てくれるリハビリ期間が終わった後も、依然継続したリハビリを必要な人が存在する状態になります。
このような人を「リハビリ難民」と呼んでいるのです。
リハビリ難民は増えていく
そして、公的医療保険や介護保険によるリハビリですが、今後、時間や回数がますます制限されていくと思います。
なぜなら、このような制限は、国の財政問題、特に高齢者の激増に伴う医療費の急激な増加による予算不足という、日本の人口構造的な背景による原因からきているものだからです。
リハビリ難民は増えていく流れになることはほぼ避けられない見込みです。
「自分の股関節は、自分で守る」
このような状況を踏まえ、患者である私たちがまずできるのは、医師を選ぶことです。
つまり、
・ 股関節の専門医であり
・ 理学療法士を抱えてリハビリ指導をおこなっている
医師を選ぶことで、公的医療保険や介護保険の期間内のリハビリそのものの質を上げることが非常に重要になってきます。
実際、当協会主催のイベントに参加される方が抱える悩みでも、リハビリ問題が関係するものが非常に多いです。
その多くは、リハビリを重要視していない整形外科医による対処療法に起因しています。
それと同時に
患者である私達も「医師や医療機関だけに頼る時代が終わった」ということを自覚する必要があります。
「自分の股関節は、自分で守る。」という意識を強く持ち、リハビリはずっと継続して行う必要があるものだという認識を持って、そのための準備をしていく。
私の経験から、この意識改革が非常に重要だと考えております。
冒頭で申し上げた自費リハビリ施設の数は
これから増えていくと思われますが、まだまだ少ないのが現実です。
そのため、この「リハビリ難民」問題に対して当協会ができることは、
・ 患者と(リハビリ指導ができる)セラピストの橋渡し役になる
ことだと改めて感じました。
今後ともよろしくお願いいたします。