変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
協会にお問合せいただく内容で多いのが、リハビリについてです。
最近もお問合せがあったのですが、そこで驚いたのが、入院中のリハビリ期間。
最近は、1週間~2週間とすごく短い期間なんですね。
私が手術した2010年~2012年は、入院期間は3週間近くあったので、本当に短くなっています。
ただ、この傾向はこれからどんどんと加速していくと思います。
なぜなら、財政難による医療費削減を受けて、政府による医療費適正化政策が入院日数の短期化を目指しているからです。
ということは、退院後、リハビリ通院を余儀なくされるため、今後は患者への負担が増えていくと思います。
今日は、そのような状況を踏まえて私たち患者に何ができるのか、考えてみました。
ぜひご覧ください。
入院中のリハビリに積極的に取り組むことが大切
その理由は、手術、保存療法のどちらを選択するにしても、術前リハビリをするかしないかで術後の回復が全く違うからです。
術後の回復が違えば、当然退院後のリハビリ通院の負担も軽くてすむのです。
このことは、私自身、身をもって経験いたしました。
私の実例
私の場合、入院時は以下のように術前リハビリから継続して取り組んでいました。
自立歩行できるまでのリハビリ内容
午前に自分の病室で自主リハビリ、午後は理学療法士によるリハビリ指導、就寝前に病室前の廊下で自主リハビリ。
1日3回のリハビリで、合計3時間程度。
自立歩行できてからのリハビリ内容
上記に加え、理学療法士による仕事&社会復帰を想定したリハビリを追加。
具体的なリハビリメニューとしては、以下のようなイメージです。
・ 杖なし&手すりなしで駅階段を昇降する
・ 杖なしで坂道を歩く
・ 両手に重い荷物を持った時の歩行練習
・ 電車の中で立っている場合の立ち方
・ 仕事で重い荷物を配送する場合の荷物の取り扱い方法
・ 車の運転
・ 入浴方法(バスタブに入る方法、バスタブから出る方法等)
・ 布団に寝る方法、布団から起き上がる方法
結果として
・ 退院時に杖なしで電車に乗り
・ 自宅到着後すぐ家事ができる
ほど回復することができました。
もちろん、仕事復帰もすぐに実現できました。
ここで感じたのが、他の患者さんが退院していくと「自分も早く退院したい」という気持ちになりがちなこと。
そこはぐっと堪えて、できる限り入院中のリハビリに取り組むことでその後の回復がかなり違ってくると思います。
ぜひリハビリに積極的に取り組んでください
手術、保存療法のどちらを選択するにしても、リハビリは本当に重要です。
特に現在の医療費適正化政策を踏まえると、積極的なリハビリをしないことは考えられません。
ぜひ、皆さんも出来る限り積極的にリハビリに取り組んでみてください。
できれば、術前リハビリを指導してくれる医師を主治医にするとなおさらよいと思いますよ。
この記事が少しでもお役に立てば嬉しい限りです。