
変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
変形性股関節症になると、日常動作が大きな負担になります。
中でも、歩くことは本当に大変になります。
特に進行期後期や末期の患者さんの場合
「少し歩いただけで痛い」「そのせいで外出するのが怖い」
など、歩行に関する不安や悩みも大きいでしょう。
私自身がそうだったので、よく分かります。
今回は
”歩くこと”を少しでもラクにするための知恵を共有します。
題して”歩行が楽になる3つの取り組み”。
闘病中に、私が試行錯誤を繰り返した結果分かった内容です。
ぜひご覧ください。
歩行が楽になる3つの取り組み
1.自分の「限界歩数」を把握し、その歩数内で生活する
歩くことがツラいというのは、いわば”今の自分の限界を超えて歩行した”結果として起こる状態だと言えます。つまり、1日で自分が歩くことのできる限界の歩数を把握し、その歩数の範囲内で日常生活を行えば、歩くことがかなり楽になります。
私は闘病時代から
”1日に歩ける限界の歩数”を「限界歩数」と名づけ、以下の方法で把握するようにしていました。
1. 万歩計を使って1日の歩数を毎日記録する
2. 股関節の状態、体のケアの実施状況を毎日記録する
3. 上記の記録をもとに、自身の限界歩数を把握する
4. 自分の限界歩数をもとに、日常生活のスケジュールを立てる
このやり方を継続することで、私は自分の1日の限界歩数と股関節の状態との関係を把握することができました。また、どう過ごせば日常の生活が楽になるか、逆にどういうことをやらないほうがいいのかも明らかにすることができました。
それにより、特にキツかった末期も何とか乗り越えることができました。
歩行時のツラさを根本から何とかしたいなら、限界歩行の把握は欠かせないポイントです。
2.歩行をサポートする道具を活用する
歩くことを楽にするための即効性が比較的高いのが、歩行をサポートする道具を活用することです。私の場合、特に次の2つの道具を活用していました。
靴
靴は、歩くことと切っても切り離せない関係です。
私は靴の専門家ではないので、どのような靴が変形性股関節症の患者にとってベストかというお話はできません。ただ、実際に何足もの靴を試した結果、着脱のしやすさが重要なポイントだと強く感じました。
ちなみに下の靴は私が入院中のリハビリ時に使用していたものですが、ひもとファスナーの両方がついている点が特徴です。
それにより、靴を履くときはひもを使い、靴を脱ぐときはファスナーを使うことができました。着脱のしやすさが本当に高かったため、この靴を使うことで歩くことへの抵抗感が大きく減ったことを覚えています。
股関節ガードル
2つ目は股関節ガードルです。


これは「動く姿かろやか(R)ガードル」というものです。
股関節を支えて安定させてくれる通年用のガードルで、写真の丈はロングでひざ下までありますが、足首までの長い丈がお好みの方には、足首丈もあります。生地にパワー差があるので脚が動きやすくなるだけでなく、ひざ関節もサポートします。
私は、締め付けタイプの下着は好きではないのですが、このガードルは締めつけ感がなかったため購入しました。
実際に使ったみて感じたのは、歩くときに股関節がきちんと安定する、ということです。
歩くことがラクになったと感じる、おススメの道具です。
3.ポールウォーキングを取り入れる
ポールウォーキングとは
2本のポール(ストック)を使って歩行運動を補助し、運動効果をより増強するフィットネスエクササイズの一種になります。
歩くときにポールウォーキングを取り入れるというのは、下の絵のように2本のポールを使って歩くイメージになります。
ポールウォーキングでの歩行を行うと
以下のようなよい効果が得られます。
・通常の歩行と比較して股関節への負担が大きく軽減される
・膝・腰・足首などへの負担が軽くなる
・両腕を活用できるため、歩幅が広がり、正しい姿勢を維持できる
ちなみに私の場合
人工股関節手術後をした病院のリハビリメニューがポールウォーキングに取り組んだ最初でした。試してみると非常に安定した歩行ができ、歩く姿勢が自然とよくなりました。
また、股関節の痛みが軽くなり、歩くことがラクになりました。
実は、私には歩行時に体を傾ける癖があり、その癖がなかなか取れなくて苦労していたのですが、ポールウォークを取り入れたことで大きく改善しました。
正しい歩き方ができれば、股関節への負担も減ります。
人工股関節にもやさしいため、本当にいいこと尽くしでした。
歩くことを少しでも楽にしたい
今回は、そんな患者さんに向けて”歩行が楽になる3つの取り組み”を紹介させていただきました。取り入れることができそうなものがあれば、ぜひ実際にお試しください。
よく分からないことなどがあれば、協会が主催する個別相談付きメディカル・アロマケア個別体験会や井口由紀子の個別相談でお話することもできますので、うまく活用してください。
この記事が少しでも患者さんの役に立つことを願ってやみません。
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