【変形性股関節症】「検査ではどんなことをするの？」押さえておきたい基本知識

変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。

「椅子から立ち上がるたびに股関節が痛む」
「長く歩いた後、股関節の重だるさがなかなか取れない」
協会を通じてお話する患者さんから、しばしばこのような悩みを聞くことがあります。

その際に私がお伝えしているのが
「股関節に違和感を覚えたら早めに専門医を受診しましょう」
ということ。

実は私も初期の頃に同じ悩みを持っていました

ただ、当時は特に何かをすることはありませんでした。今振り返ると、早い段階で診察とリハビリに取り組んでいれば、手術を避けられたかもしれないと痛感します。

そして、この話をすると聞かれるのが

「検査では具体的に何をするの？」 という質問です。

今回は、変形性股関節症の検査について押さえておきたい基本をお伝えします。

検査のイメージを事前につかんでおけば、受診時の不安が少し軽くなり、専門医にかかるハードルも下がると思いますので、ぜひご覧ください。

変形性股関節症の検査の流れ

検査は、基本的に問診・触診・画像検査の流れで進みます。
ここに、正確な診断をするために必要となる様々な追加検査が入ってくるイメージです。

１．問診

検査は、まず問診から始まります。

変形性股関節症の場合、次のような点を聞かれることが多いです。
あらかじめ答える内容をまとめてメモしておくとスムーズです。

・痛む場所・強さ・頻度、痛みが出る動作
・自身や家族の病歴（股関節の形状に遺伝的要素が関わるために確認します。）
・普段の生活スタイル、仕事、スポーツ歴
など

２．触診

次に、股関節の状態を詳しく調べるための触診を行います。

主な目的は股関節の可動域を確認することで、脚を開く・ひねるなどの動きを見たり、医師が実際に脚を動かしてみてチェックします。

熟練した専門医であれば、触診だけでもかなり詳細に状態を把握できます。

３．画像検査

続いて、股関節の状態をより正確に見るために画像検査を行います
なお、病院によっては触診より先に実施される場合もあります。

エックス線検査

・股関節の“お椀”と“球”のかみ合わせや、骨同士のすき間が狭くなっていないかを確認
・股関節異常に伴う腰や膝への影響もチェック

MRI検査 / CT検査

エックス線検査で判断がつかない場合、必要に応じて検査されます。

・MRI検査
　強い磁石と電波を使い体内の状態を断面像として描写します。
・CT検査
　エックス線検査の立体版。エックス線による３Ｄ画像で骨の立体的な状態を把握します。

検査は基本的に上記の流れで進みますが

患者の状況に応じて、他の病気も考慮しながら追加検査が行われることもあります。

例えば、腫瘍の有無を確認する「骨シンチグラフィー検査」、関節リウマチの疑いがある場合には「血液生化学検査」などが行われることがあります。

今回は

変形性股関節症の検査について、患者が押さえておきたい基本をお伝えしました。
繰り返しになりますが、股関節に違和感があれば早めに受診することが大切です。

もし私の体験などを詳しく聞きたい、など気になることがあれば、個別相談付きメディカル・アロマケア個別体験会や井口由紀子の個別相談でお話することもできますので、うまく活用してください。

この記事が、患者さんにとって少しでも役立つことを願ってやみません。