変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
変形性股関節症の患者さんは、術前は不安な気持ちから相談してくる人が多いです。
一方で、術後は全くと言っていいほど何も言ってこなくなります。
これは、非常に残念なことです。
なぜなら、私の経験から申し上げると術後の方がむしろ重要だからです。
この記事では「手術を受けた後に必要な心構えや必ず押さえておいた方が良いポイント」をご紹介していきます。
人工股関節手術後に大切なことは
1.手術後にやってはいけないことをご存知でしょうか?
あなたは手術後にやってはいけない動作(禁忌)があることをご存知でしょうか?
内容は手術のアプローチ方法によっても違ってきますが、多くの病院では禁忌動作についての指導があると思います。
中には「禁忌動作は全くありません」と言う病院もあるようですが、それでも術後すぐに何でもOKというところはないでしょう。
ましてや1~2週間の入院で、どんなスポーツも全開で即OKというところはないはずです。
2.退院前に気を付けておきたいこと
注意事項や禁忌事項をまとめたプリントを渡されたら、必ずきちんと読んで自分の生活に置き換えて考えるようにしてください。
もし疑問点があったら、退院前に必ず確認しておきましょう。
3.スポーツ経験や身体を沢山動かして来た方へ
自分の体を過信せずに術後は慎重に行動するようにしましょう。
スポーツ経験がある人ほど、すぐにガンガンと運動できると考えがちですが、個人的には時期尚早だと思います。
骨の中に人工股関節が入っているわけですから、リハビリをしっかりと毎日続けつつ、ゆっくりと時間をかけて回復するようにしてください。
両側同時に人工股関節手術をした場合、特に日々の慎重な行動が重要になります。
4.術後1年はくれぐれも慎重にリハビリを
協会のリハビリプログラムでは「リハビリ運動+股関節ケアの両輪」を一人でも継続していけるように指導させていただいております。
しかし、実は運動未経験の患者さんの方が運動経験のある患者さんよりも回復が早いことが多々あります。
なぜなら、スポーツ経験のある方は、ベーシックな運動の継続を軽視しがちになるためです。
さらに、自分勝手に強度を上げて動いてしまうために、体に負荷がかかり過ぎてしまい、別の部位に違和感が出てしまうことも往々にして起こります。
以前のブログでもお伝えしたかもしれませんが、変形性股関節症の術後、最低1年間はくれぐれも慎重な行動を大事にする必要があります。
物事をあせって進めても良い結果は生まれません。
術後は、慎重過ぎるぐらいでちょうど良いのです。
5.既に術後に専門家の指導を受けている場合
ひとまず、ご自分の考えはひとまず横に置いて、リハビリメニューを素直に受け入れて実践するようにしてください。
物足りない場合には、面倒くさいかもしれませんが、都度、専門家の意見を聞きながらリハビリするようにしましょう。
自分勝手な解釈で運動の強度を上げてしまうことは、かえって体に負担をかけてしまいます。
これは本当に大事なので、ぜひ頭の中に入れておいてください。
私は、両側の股関節を別々に手術しました
同年代の健康人のレベルまでに回復するのに5年ぐらいかかりました。
その後、専門家にお願いして体の状態を都度確認しつつ、徐々に運動強度を上げています。
おかげさまで、現在では術後10~12年が経ちましたが、何の問題もなく診断前よりもずっと元気になり、仕事もハードにこなすことができるようになりました。
最近では、技術のあるパーソナルトレーナーから
「井口さんは、股関節を手術した人だとは思っていません。50代の筋力はあるし、運動メニューによっては、40代の筋力があると思います。」
とお褒めの言葉をいただけております。
現在の身体の状態にあった運動メニューを
術後は、とにかく慎重に行動しながら、アナタの体の状態に合った運動メニューでリハビリを行うことが重要です。
少しずつ運動の強度上げていくことで、多少時間はかかるかもしれませんが私のように回復することができます。
くれぐれもあせらずに進めていってください。
この記事が術後のリハビリ生活に役立つことを願ってやみません。
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