変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
隣同士のマンションに
実母(現在86歳)が住むようになって今年で9年目。
最初の頃は、週に3回ぐらい訪問し、お茶を飲みながら話し相手をしていました。
週末には、一緒に買い物にも行っていました。
「様子がおかしい」
それが、3年ほど前から日曜日の買い物にも行きたがらなくなりました。
物取られ現象が出始め、黙ってタクシーを呼んで長野県にある田舎に向かい場所が分からなくなってしまい、地元の警察から夜中に電話がかかってきて迎えにいくということもありました。
「様子がおかしい」と母の友人からも連絡を受け、医者に一緒に行こうと誘いましたが拒否される。
認知症には運動が良いからと思い、スポーツクラブの体験会にも誘ったのですが当日になって行きたくないという。
そんなことが度々ありました。
介護職の友人に相談したところ
認知症かもしれないと言われました。
とにかくありとあらゆることを本人に促してみましたが、すべて不発に終わりました。
それでも近くのスーパーやマンションの1階にあるコンビニに行って買い物はしていたのですが、今年に入ってからは、全く外出することもなくなっていました。
そのうち、脚のむくみがひどくなり、まるで大根のような太さになってしまい、部屋では、つたい歩きのような状態となってしまったのです。
それでも医者に行こうとしなかったので、最後は下肢の脱力により動けなくなってしまい、緊急入院することになりました。
この経験から分かったことは
「運動の重要性」でした。
現代の研究では、運動することで認知症のリスクが低下するということが分かってきています。
特にアルツハイマー型認知症は、運動不足が強力なリスク因子だとする研究報告があります。
最近では、筋力トレーニングで大きな筋肉群を動かし、有酸素運動で血流を促すことで脳への刺激が高まり、認知症の予防につながると言われています。
太ももなどの下半身の大きな筋肉を鍛えることで転倒を予防し、基礎代謝の向上がダイエットにもつながり、それだけではなく、認知症予防にもつながるのです。
これって
私がいつもおススメしている「股関節周辺の筋力強化と股関節ケア」にも繋がることだし、認知症予防にもなるので、是非トライしてみてください。
認知症の母の介護生活を振り返ってみて、今回あらためて「運動の大切さ」を知る良い機会となりました。
私の経験がほんの少しでもお役に立てれば嬉しいです。