変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
最近、協会の活動を通じて「変形性股関節症を本気で克服したい!」という想いを感じる患者さんにお目にかかることが増えています。
このような患者さんを全力でサポートすることが協会の重要なテーマでもあるため、本当にうれしく感じています。
ただ、このような本気の患者さんの中には
高い意欲のあまり、リハビリ運動の量をいきなり増やしてしまう方がいらっしゃいます。
これは非常に注意すべきポイントで、いきなり運動量を増やすとかえって逆効果になります。
今回は、リハビリ運動の量を変える際の重要なポイント”運動量を急に増やしすぎないこと”についてお伝えします。ぜひご覧下さい。
リハビリ運動の量は急に増やしすぎないことが重要
その理由は、運動量を急に増やすと筋肉に負荷がかかりすぎるためです。
「そんなの当たり前」と思う方も多いでしょうが、意欲が高まっている際には、ついよかれと思ってリハビリ運動の量を増やして頑張ってしまいがちです。
ただ、変形性股関節症の患者さんの股関節には、日常生活の中で既に大きな負荷がかかっています。そこへ許容量を超えた運動で負荷を追加してしまうと筋肉を傷めてしまうことは想像に難くないでしょう。
リハビリ運動の量を増やす場合には”薄紙をはがすような慎重さ”で無理なく行うことを強く意識する必要があります。
”薄紙をはがすような慎重さ”のイメージ
このようなお話をすると”薄紙をはがすような慎重さ”とはどういうものなのか分からない、という質問をされることがあります。
そこで、運動量を増やす際の実例として、私が1日10回のスクワットをしている場合、どういうふうに回数を増やしているかをお伝えします。
ある日、私は10回のスクワットを行いました
運動後は太ももの前側が筋肉痛になったため、自分でマッサージによるケアを行いました。
翌日も10回のスクワットを行なったところ、再び筋肉痛が出ました。
そこで、この日も自分でマッサージによるケアを行いました。
次の日は、筋肉痛が出ませんでした。
ただ、すぐに回数を増やすのではなく、一週間は1日10回のスクワットを続けました。
筋肉痛が起こらなくなったので、今度は回数を11回に増やしました。
それからまた1週間、同じ回数で試してみました。
問題がなさそうなので、次の週は12回に増やしました。
・・・
これが
私が行っている”薄紙をはがすような慎重さ”で運動量を増やすやり方です。
冒頭でお伝えした”いきなり運動量を増やす”ケースの代表例は、「今日はスクワットが10回できた。明日は20回に増やしてみよう」というものですので、それとは対極になります。
繰り返しになりますが、このような急激な運動量の増加は身体に大きな負荷をかけてしまいます。変形性股関節症の患者さんは絶対にやるべきではありません。
ちなみに
今は春に向かってだんだんと暖かくなる時期です。
この時期は意欲が高まり、運動量が自然と増えやすい時期でもあります。
このような季節の変わり目では、少し身体を温めてから運動をすることを心がけてください。
実は
冬の間、人間の筋肉は”冷凍保存されたお肉”のような状態になっています。
料理をするとき、冷蔵庫から冷凍されたお肉を出しても、すぐに切り分けることは難しいですよね。切り分ける前に、お肉を少し暖かいお湯につけてから切り分けると思います。
つまり、冬の”冷凍保存状態の筋肉”は、少し体を温めてから運動しなければ筋肉に負荷がかかりすぎてしまい、トラブルのもとになるのです。
いずれにしても
リハビリ運動の量を変える際には、ぜひ”薄紙をはがすような慎重さ”で取り組むことを意識してください。
もしわからないことや相談したいことなどがあれば、協会では個別相談付きメディカル・アロマケア個別体験会や個別相談を主催しております。そちらもうまく活用してください。
この記事が、運動量を増やす際の”微妙なさじ加減”を覚えるきっかけとなることを願ってやみません。
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