変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
最近協会に相談に来られる方は
人工股関節手術が終わってある程度の時間が経っても
・ 股関節の痛みや歩行時の体の傾きが気になる
・ もう片方の股関節の痛みが出始めた
などの悩みを抱えている方が増えてきているように思います。
通常なら手術が終わって痛みから解放され、晴れ晴れとした気分でいるはずなのに。
こうした傾向は、本当に残念でなりません。
この状況は
私が手術した2010~2012年頃とは明らかに変わってきているように思います。
術前リハビリや術後リハビリが軽視されているからでしょう。
私が皆さんのお話を伺っていて
共通している問題点は、圧倒的にリハビリの時間が足らないということです。
手術のための入院期間は短縮されていく傾向にあり、術後1週間ぐらいで退院させられるのは当たり前の状況になりつつあります。
術前リハビリもしないで1週間で退院させられたら、車いすを卒業して、やっと歩行器レベルの状態ではないでしょうか。
この状態で自宅に戻って体を動かさないでいたら、よい結果が出るはずがありません。
つまり、絶対的にリハビリの運動量が足らないのです。
泳ぎ方が分からない子供が浮き輪を持たされて、海に投げ込まれるような状況だと思います。
このまま放置していたら、近い将来寝たきり高齢者がますます増えていくことになるでしょう。
これは、本当に深刻な問題だと思います。
これからのリハビリは
自己責任と自己負担でおこなっていくしかありません。
変形性股関節症の患者自身が病院や医者に依存するのではなく、自らが主体的になって動いていくしかないのです。
国の財政を考えてみても、税金で賄える費用には限界があるということをそろそろ私達も自覚する必要があります。
加えて、技術のある専門家を探す目を持たなければなりません。
ですが、探す目を養うことはなかなか難しいと思います。
その点で、協会が皆さんに代わって技術のある専門家を紹介するサービスが必要になってくるかもしれません。
いかがでしたか
今回の記事が少しでも皆さんのリハビリに役に立てば嬉しい限りです。