変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
最近の変形性股関症患者の傾向を見ていると
保存療法中であっても適切なリハビリ指導を受けている人が非常に少ないことに驚かされます。
それは、昨年の日本股関節学術集会での医療サイドから出てきた話からも理解できます。
どういうことかというと
医療サイドは、リハビリの目的として
・ 変形性股関節症の前期または初期の場合のは筋力強化
・ 進行期また末期の場合は可動域訓練
を想定している、というもの。
特に大学病院でのリハビリは口頭での指導が多く、医師としては変形性股関節症の患者に合う筋力増強の回数ややり方を決めることが難しいと感じているようです。
ここから分かるのは、今後も大学病院で適切なリハビリ指導を受けることは難しいということ。
また、国の財政が一段と厳しくなっていく中でリハビリの予算は削られてくるでしょう。
ということは、人工関節手術のための入院期間はますます短くなり、適切なリハビリ指導は受けられないということになります。
結果、リハビリについて患者自身で対策を行うことがこれまで以上に重要となるのは間違いありません。
それでは、変形性股関節症の患者は、今後どうなるのでしょうか?
患者が医師にすべてを委ねる時代は終わりを告げるでしょう。
患者自身が股関節の状態をきちんと把握した上で、どのような治療方法があるのかを調べ、自らの人生において変形性股関節症とどのように向き合っていくのかを考えなければならない時代になっていくということです。
その場合、医療費で賄えるリハビリには限界があるということを知り、ある程度自費でリハビリを行う覚悟をする必要があります。
当然ですが、技術のある専門家による指導を受けたいなら、ある程度の出費は覚悟しなければなりません。
それと同時に技術のある専門家を探す能力を身に付けていくことが重要になってきます。
ただ、短期間にこの能力を身に付けることは大変難しいかも知れません。
この辺の領域においては、今後、協会がお手伝いしていく分野になると思います。
いずれにしても
リハビリの将来は、病院や医師頼みではなく、自らの力で切り開いていかなければなりません。
最後に、この記事ブログで書かせたいただいた内容は、あくまでも私の個人的な意見としてご理解いただければと思います。
この記事が少しでもお役に立てば幸いです。