変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
最近、大学の同級生から
「高齢の母親がナビを活用した人工股関節手術を受けた。」
という話を聞きました。
何でも股関節が痛くて歩けなくなり、このままだと寝たきりになってしまうとのこと。
それならば、杖をついてでも自分で歩ける方がよいということになったそう。
そこで、「ナビゲーションシステム」を使った人工股関節手術を受けることにしたそうです。
この「ナビゲーションシステム」。
あなたはご存知でしょうか?
今日は、人工股関節手術で使われる「ナビゲーションシステム」のお話です。
人工股関節手術を検討している方のヒントになれば幸いです。
ナビゲーションシステムとは
人工股関節の手術で最も重要な「人工股関節を入れる場所の位置を決める」ための技術です。
赤外線カメラで股関節の位置を把握し、人工股関節を入れる最適な場所を特定します。
「位置決め」は、従来は分度器を使用して関節の動きをチェックし、その角度を確認しながら行っていました。
ところが、位置決めは数多くの手術経験を積んで習得する必要のある専門技術です。
ナビゲーションシステムを使うと「位置決め」がより簡単に、適切に行えるようになります。
ズレがほとんどなく人工股関節を入れることができるので、結果的に脱臼のリスクが減ります。
ちなみに、このシステムは2012年度から保険適用になりました。
そのせいか、全国あちらこちらに人工関節センターが建設されています。
国内で人工股関節手術をおこなう施設が2,000施設程。
そのうち200施設でこのシステムが導入されているんですよ。
手術の進め方
ちなみに、ナビゲーションシステムを使った手術の進め方はこうです。
1. コンピューター断層撮影(CT)にて股関節の立体画像を作成し、手術計画を立てる。
2. 手術中は、人工股関節や患者の股関節を赤外線で計測。
医師は撮影した映像をコンピュータの画面で確認しながら人工股関節を入れる。
手術時間は、通常の手術より10分程度長くかかるそうです。
通常の手術が1~2時間程度なので、それより少しかかる感じですね。
私の懸念
このナビゲーションシステムは、本当に便利だと思います。
ただ、私の感覚からすると経験年数の少ない医師がおこなうケースもあるのではないかと少々心配になったりもします。
その辺、メリットとデメリットを踏まえて、あなたに一番合った方法を選んでくださいね。
最後に、この記事は決して人工股関節手術をすすめるものではありません。
その点、お含みおきいただければ幸いです。