変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
変形性股関節症の闘病中、私は股関節の痛みに本当に悩まされました。
特に末期はひどく、日常生活がままならないほどでした。
変形性股関節症の患者さんの多くは、私と同じ悩みをお持ちだと思います。
股関節の痛みを何とかしようと試行錯誤されている方も多いでしょう。
そこで今回は「股関節の痛みを少しでも軽くすること」をテーマに、私が闘病時代に行った様々な試行錯誤を通じて得た学びを共有します。
股関節の痛みを軽くする2つの取り組み
冒頭でお伝えした通り、私は変形性股関節症の闘病時代に股関節の痛みに非常に苦しみました。
ただ、様々な試行錯誤を行った結果、ある程度股関節の痛みを軽減し、コントロールすることができるようになりました。
そこで得たポイントは
股関節の痛みを軽減するためには大きく2つの取り組みが必要だということです。
具体的には、
1.股関節の痛みを知る
2.痛みを軽くするために行動する
の2つです。
1.股関節の痛みを知る
これは、詳しくお伝えすると「変形性股関節症の病状が進むにつれ、股関節の痛みがどう変わっていくかをあらかじめ具体的にイメージできるレベルで”知る”」ということを指します。
股関節の痛みを”知る”ことは本当に重要です。
というのも、上記のレベルまで股関節の痛みの実態がイメージできなければ、患者は「今後痛みがどれだけひどくなるのだろう…」と不安や恐怖を際限なく膨らませてしまうためです。
このような不安や恐怖を感じると
患者は股関節の痛みをより強く感るようになってしまいます。
ところが、実際に股関節の痛みがどのように変わっていくかをイメージできていれば、この不安と恐怖は軽くなるため、結果として股関節の痛みを感じる度合いも軽くなるのです。
ただ、病状の進行に伴いどのように痛みが変わるかをイメージしづらい患者さんも多いと思います。
そこで参考までに、事例の1つとして私自身の股関節の痛みの変遷の実態を共有します。
初期
初期の段階では、私は股関節の痛みはほとんどありませんでした。
たまに、椅子から立ち上がるときや、歩き始め、長時間歩いたとき、階段の昇降時などの「動作を始めるとき」に少し痛むことがあったり、足全体のだるさを感じる程度でした。
ただ、今思えばこのタイミングで十分なリハビリを行えば手術を回避できたであろうと強く感じます。この点、今でも悔やまれるところです。
進行期
進行期まで進むと、股関節の痛みによってできない動作が少しずつ増えました。
具体的には、
・ 椅子から立ち上がる時に、しばらく痛みがある
・ 歩行時は、常に痛みを感じるようになる
・ 途中で立ち止まって休憩を入れないと、痛くて長時間歩くことが難しくなる
・ 階段の昇降時に痛み、痛くない方の足を使うようになる
といった感じですが、痛みが治まるまでの時間も徐々に長くなっていきました。
ただ、家事などはまだ何とか自分だけでこなすことができていました。
末期
末期の頃には、私は常にひどい股関節の痛みを感じるようになりました。
例えば、
・ 椅子から立ち上がる時には、ひどく痛む
・ 歩行時に痛みがひどく、必ず杖を使う
・ 歩く距離が短くても、何度も休憩が必要になる
・ 椅子に座っている時にも脚のつけ根に痛みが出る
・ 就寝中や寝返りの際も痛くて目が覚める
・ 電車を使う場合は、必ず座る必要がある
という状態でした。
あまりの痛さのため、この時期の外出は、非常に短い距離であっても必ずタクシーを使っておりました。家事も折りたたみ椅子に座ってできる範囲でしか行えず、買い物や洗濯物干しなどその他の家事は、毎回夫に手伝ってもらいました。
上記はあくまで私の事例ですが、股関節の痛みが病状と共に変わっていく一つの実例として参考になると思います。
2.痛みを軽くするために行動する
次は「痛みを軽くするために行動する」ことです。
これも患者の股関節の状態や病状の進行度合いなどで具体的な方法は変わってきますが、今回は私が実際に様々な試行錯誤を行ってきた中で特に効果があった行動を2つ紹介します。
股関節を温める
股関節の痛みは、科学的には筋肉のダメージ修復の際に発生する現象だ、と捉えることができます。ということは、筋肉の修復効率を上げることができれば痛みを軽減できることになります。
そのために必要なのが、血行をよくすること
私は、血行をよくするために以下の対処をしていました。
アロマ浴
これは、血行をよくする効果が非常に高いと感じた方法です。
特にラベンダー精油を使ったアロマ浴は大変効果を感じました。
具体的には、
・まず、自宅の洗面台でアロマの手浴を行う
・次に、お風呂場のバスタブにお湯を少なめに入れ、アロマの足浴を行う
・手浴、足浴に慣れたら、アロマの半身浴を行う
というアロマ浴を毎日行いました。
なお、アロマとして使う精油の種類や量は、人それぞれの身体の状態で変えていく必要があります。分からない方は、必ず専門家に相談してから取り組んでください。
協会でも、個別相談や個別相談付きメディカル・アロマケア個別体験会でアドバイスできますので、うまく活用してください。
使い捨てカイロで温める
使い捨てカイロも、痛みを軽くするために大変効果的でした。
私の場合、真夏以外は使い捨てカイロを愛用していました。
外出の際には、お尻の真ん中や太ももの外側に使い捨てカイロを貼ることで痛みがずいぶんと和らぎました。
注意点としては、使い捨てカイロは直接肌に貼らず、スパッツの上から貼ること。
サイズは小さいもので大丈夫です。
万歩計・リュックを活用する
多くの患者さんがそうだと思いますが、股関節の痛みを特に感じやすいのが歩行時です。
そこで私は、歩行時に万歩計やリュックをフル活用していました。
万歩計
多くの患者さんは”これ以上歩くと股関節の痛みがひどくなって翌日歩けなくなる”という感覚を経験したことがあるでしょう。
私はこのような状態になるぎりぎり直前の歩数を「限界歩数」と呼んでいますが、万歩計を使うことで、限界歩数を超えないように行動することができるようになるため、股関節の痛みをかなりのレベルでコントロールできるようになります。
ただ、この限界歩数は
患者さんの股関節の状態によって変わります。
日々、歩数の記録を付けていくことで自分の限界歩数を把握することが重要となります。
参考までに、末期の私の限界歩数は6000歩でした。
1日6000歩以内で日常生活から仕事まで全てカバーするのは本当に大変でした。
リュック
リュックは股関節への負担が軽減できるため、対策として有効です。
私も歩くときは必ずリュックを使い、荷物は可能な限り手に持たないようにしていました。
今回は
私が闘病経験から学んだ、股関節の痛みを軽くする2つの取り組みをお伝えしました。
できそうなものがあれば、ぜひ実際の闘病に取り入れてください。
よく分からない、専門家に相談したい、ということであれば、協会が主催する個別相談付きメディカル・アロマケア個別体験会や井口由紀子の個別相談を通じてアドバイスさせていただくこともできますので、うまく活用してください。
この記事が少しでも役に立てば幸いです。
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