変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
ここのところ急に気温が上がってきて
何だか体を動かしたくなっていませんか?
こう感じている方は、ちょっとひと呼吸置いて下さい。
というのも、筋肉の状態が冬バージョンから春バージョンに完全に移行していない段階で急に運動量を増やしてしまうと、筋肉に負荷がかかりすぎてしまうからです。
例えば、冷凍保存された豚バラ肉を想像してみて下さい
豚バラ肉を冷蔵庫から出してすぐ、1枚1枚を簡単に切り離すことができるでしょうか?
難しいですよね。
すぐ料理に使う場合は、少し暖かいお湯につけて切り離すと思います。
これと同じで、季節の変わり目の私たちの体の状態は「冷凍保存状態の豚バラ肉」なのです。
そのため、まずは少し体を温めてから体を動かすことが大事です。
そうすることで、筋肉を傷めることなく過ごすことができるのです。
協会リハビリプログラムに参加している患者さんの中にも
最近、寝違いやぎっくり腰になっている方がいらっしゃいます。
リハビリプログラムの患者さんは膝や股関節の痛みが和らいでくる方も多いため、この時期になるとつい運動量を急激に増やしてしまい、別の場所を痛めてしまうことがあるのです。
そこで私がいつも患者さんにお話するのは
「運動量を増やす場合、少しずつ様子を見ながら行ってください」ということです。
実は、”運動量を増やす”ということは薄紙をはがすような慎重さが必要なのです。
イメージをお持ちいただくために
1日10回のスクワットの回数を増やす場合に私がどのようにしているかをお伝えします。
ある日、私は10回のスクワットを行いました。
運動後は太ももの前側が筋肉痛になったため、自分でマッサージによるケアを行いました。
翌日も10回のスクワットを行なったところ、再び筋肉痛が出ました。
そこで、この日も自分でマッサージによるケアを行いました。
次の日は、筋肉痛が出ませんでした。
ただ、すぐに回数を増やすのではなく、一週間は1日10回のスクワットを続けました。
筋肉痛が起こらなくなったので、今度は回数を11回に増やしました。
それからまた1週間、同じ回数で試してみました。
問題がなさそうなので、次の週は12回に増やしました。
・・・
これが「薄紙をはがすような慎重さ」で運動量を増やすイメージになります。
「薄紙をはがすような慎重さ」で運動量を増やすことは
保存療法中の患者さんに限ったことではありません。
当然ですが、人工股関節手術後の患者さんにも当てはまります。
よくあるケースなのですが、変形性股関節症の患者さんの中には「今日はスクワットが10回できた。明日は20回に増やしてみよう」と無理なペースで運動量を増やすことがあります。
これは、体にかなり負荷をかけることになりますので、絶対にやってはいけません。
ぜひ早いうちに、運動量を増やす際の”微妙なさじ加減”を覚えて下さい。
季節の変わり目に注意しながら
「リハビリ運動+股関節ケア」を実践し、無理のない範囲で運動量を増やして下さい。
この記事が今後のリハビリ生活に役立つことを願ってやみません。
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