変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
変形性股関節症の患者にとって、本当に大きな悩み。
それが、股関節の痛みです。
私も闘病時代、股関節の痛みには非常に悩まされました。
そして、何とか股関節の痛みを軽くしようと、たくさんの試行錯誤を繰り返してきました。
その結果、現在では変形性股関節症を克服し、股関節の痛みなく、不自由のない日常生活を送ることができています。
今日は、これまで私が実体験を通じて学んだ”股関節の痛みの対処法”についてお伝えします。
ぜひご覧下さい。
元患者が教える”股関節の痛み対処法”
私は、自分自身の変形性股関節症の克服経験を通じて、股関節の痛みへの対処には3つのことが必要だと感じています。
1つは、股関節の痛みが病状に応じてどのように進むか、患者目線のリアルな実例を知ること。
次に、股関節を和らげるための具体的な対処法を知り、実践すること。
3つ目に、股関節の痛みに負けない気持ちを作ること。
それぞれ、詳しく説明していきます。
1.病状に応じた股関節の痛みの進み具合を知ること
これは、非常に重要です。
なぜなら、股関節の痛みがどう変わっていくのか見当がつかなければ「今後どのようになるのだろう」と不安や恐怖が大きくなり、股関節の痛みをより強く感じるようになるためです。
一つでもよいので、実際の患者さんの視点での股関節の痛みの変遷を知っておけば、不安が軽くなり、また将来の股関節の痛みに対する備えもできます。
そこで、まずは私自身の股関節の痛みの変遷について、患者視点のリアルな状態をお伝えしていきます。
1.初期
初期は、動作を始めるときに少し痛むことがあります。
ただ、それ以外の時は股関節の痛みはほとんど気になりません。
具体的には、
・ 椅子から立ち上がる時に少し痛む
・ 歩き始めに少し痛む
・ 長時間歩くと少し痛む
・ 階段の昇降時に少し痛む
といったレベルの痛みです。
他に、時折足全体のだるさを感じることがありました。
ただ、それ以外はほとんど何も感じることがなく動けていました。
今思えば、この時期に十分な対応をすれば、手術を回避することができたと思います。
2.進行期
進行期になると、股関節の痛みが出てから治まるまでの時間が徐々に長くなります。
具体的には、
・ 椅子から立ち上がる時に、しばらく痛みがある
・ 歩行時は、常に痛みを感じるようになる
・ 途中で立ち止まって休憩を入れないと、痛くて長時間歩くことが難しくなる
・ 階段の昇降時に痛み、痛くない方の足を使うようになる
といった感じです。
私の場合も、進行期には少しずつできない動作が増えてきました。
ただ、家事などは、まだ何とか家族の手助けなしでこなしていました。
3.末期
末期には、何をするにも股関節の痛みが付きまといます。
具体的には、
・ 椅子から立ち上がる時には、ひどく痛む
・ 歩行時に痛みがひどく、必ず杖を使う
・ 歩く距離が短くても、何度も休憩が必要になる
・ 椅子に座っている時にも脚のつけ根に痛みが出る
・ 就寝中や寝返りの際も痛くて目が覚める
・ 電車を使う場合は、必ず座る必要がある
この時期は、駅から訪問先までは、必ずタクシーを使っていました。
家事は折りたたみ椅子に座り、買い物や洗濯物干しは、夫に手伝ってもらっていました。
また、この頃の股関節の痛みはかなりひどくなります。
2.股関節の痛みを和らげる対処法
それでは、このような股関節の痛みを和らげるためにどうすればよいのでしょうか。
私の試行錯誤の結果、実際に効果のあった方法をまとめてみます。
歩行時には万歩計・リュックを活用する
私は、歩行時の股関節の痛みに対処するために、万歩計、リュックを活用していました。
万歩計
変形性股関節症の患者には”これ以上歩くと股関節の痛みがひどくなって歩けなくなる”という1日の限界歩数があります。
万歩計を使いその日の歩数を計測することで、限界歩数の範囲内に収まるように日々行動できるようになります。
ちなみに、私の変形性股関節症の末期状態の時の限界歩数は6000歩。
この歩数で生活をやりくりするのは本当に大変でした。
リュック
リュックをうまく使うことで、股関節への負担を避けることができます。
これは、股関節の痛みへの有効な対処となります。
私の場合、歩行時には、荷物はなるべく持たないようにリュックを使用していました。
体重コントロール
体重が増えれば、股関節に大きな負担がかかります。
そのため、食事や運動に注意して体重をコントロールすることが重要です。
ただ、末期になると股関節の痛みのために、運動量が減っていきます。
そこで私は、摂取カロリーを抑え、体重をこれ以上増やさないことように気を付けていました。
また、カルシウムとタンパク質が不足すると骨が弱くなるため、牛乳や植物性タンパク質、豆腐などを摂取することも心がけていました。
股関節を温める
実は、股関節の痛みというのは筋肉のダメージを修復する際に起こる現象です。
そのため、痛みを抑えるには、血行をよくして修復効率を上げることが重要になります。
そこで効果的なのが、使い捨てカイロを貼ること。
このことに気づいた私は、真夏以外は、貼る使い捨てカイロを愛用していました。
外出時に使い捨てカイロをお尻の真ん中や太ももの外側に貼ることで、痛みが和らいだことを覚えています。
ちなみに、貼るカイロは直接肌に貼らず、スパッツの上から貼るとよいです。
サイズは小さいもので大丈夫です。
アロマ浴
私が試行錯誤した中で効果があったのが、ラベンダー精油を使ったアロマ浴です。
具体的には、
・ 自宅の洗面台を利用したアロマ手浴
・ お風呂場のバスタブにお湯を少なめに入れながらのアロマ足浴
・ これらに慣れてきた後でのアロマ半身浴
といったことを毎日継続していました。
ちなみに、ラベンダー精油には痛みを和らげる効果がありますが、それぞれ入れる精油の分量が違います。くれぐれも分量にはご注意下さい。
私自身が作ったオリジナルアロマクリームの塗布
私が股関節の痛みに絶大な効果を感じたのが、オリジナルアロマクリームを使ったマッサージです。
このアロママッサージは、専門家に施術してもらっていたのですが、本当に効果を感じたため、毎日でも受けたいと強く願っていました。
ただ、アロママッサージを毎日受けることは、時間的・経済的な負担が非常に大きいため現実的ではありません。
そこで私が行ったのが、私自身の股関節の痛みにピッタリ合わせたオリジナルマッサージクリームを作ることでした。
アロママッサージの先生への相談し、私の股関節の状態に合わせた精油の配合を教えていただき、配合通りに自分で材料を混ぜ合わせてアロマクリームを作ったのです。
その後、このクリームを使って毎日マッサージをすることで、アロママッサージの効果そのままに股関節の痛みが和らぎました。
3.股関節の痛みに負けない気持ちを作る
これは、股関節の痛みをラクにするために欠かせません。
なぜなら、精神と身体はお互いに大きな影響を及ぼしあうためです。
そこで重要なのが、股関節の痛みに負けない気持ちを作ることです。
具体的には、「将来への希望を持つこと」です。
それにより、股関節の痛みを自然な形で受け止めることができるようになります。
結果、気持ちが楽になるので、股関節の痛みのつらさが和らぐのです。
私の場合も、闘病中に
「こんなに痛みに苦しむくらいなら、この経験を絶対に無駄にしたくない」
と将来への決意を持つことで、股関節の痛みに何とか向き合うことができました。
今日は、股関節の痛みに悩む患者さんに向け
元患者の実体験から学んだ股関節の痛み対処法をお伝えしました。
少しでもよいと感じたものがあれば、今日から闘病生活に実際に取り入れてみて下さい。
この記事が少しでも股関節の痛みに悩む患者さんのお役に立てば幸いです。
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