変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
今回は、協会で相談を受けている79歳女性の患者さんの賢い選択についてお伝えします。
なお、初めにお断りしておきたいのですが、協会では、ご相談にお見えになる患者さん全員に手術をおススメしているわけではありません。
この点については、ご理解いただければと思います。
この患者さんは
昨年10月に個別相談にお越しになりました。
そこでは、大腿部の痛みを訴えられていました。
ご本人のお話によると「自宅近くの整形外科のリハビリに通っているが全く改善しない。それどころか事あるごとに医師から手術をすすめられるので、不信感が募っている」とのことでした。
よくあるケースなのですが
医師が手術をすすめる際「なぜ手術が必要なのか?」という部分の説明がないことは多いです。
そのことが、結果として患者の不信感を煽っていることは間違いありません。
彼女に対しては
まず「リハビリ運動+股関節ケア」を実践してみることをおススメしました。
そして、昨年11月からリハビリプログラムがスタート。
現在2か月目に入りましたが、大腿部の痛みが少しずつ軽減されてきて、隠れていた本来の悪い部分が見え始めています。
股関節日記の記録から見ると、日々の運動量が極端に少ないことが分かりましたので、運動量を増やすようにアドバイスさせていただきました。
現在では、隠れていた本来の悪い部分に対してケアすることで、股関節の痛みに対してご自身でアプローチができるようになりつつあります。
このような取り組みをしている最中
この方の通う整形外科の医師から、再度手術のことを持ち出されたとの相談を受けました。
そこで、私は彼女にある提案をしました。
「今後どうすればよいのか分からないようであれば、一度私の主治医のところで、正確な診断を受けたらいかがでしょうか?」
患者さんからは「元気になられた井口さんの主治医ならば、ぜひお願いしたい」という答えが返ってきました。
このような提案をした理由は、私の経験上医師を比較検討することでモヤモヤ感が解消される場合があるためです。
そこで私は
私の主治医にお手紙で彼女の現在の状況について詳しくお伝えしました。
彼女が受けた最終診断は「今の状態を保てても5年以上は難しいだろう」というものでした。
実はこの言葉には
その医師が素晴らしいかどうかを判断する決め手となるポイントがあります。
それは「5年以上」という言葉。
優れた医師の場合、たくさんの事例数と経験値によってその股関節がどれくらい保てるのかについて、細かい年数までハッキリと伝えることができるのです。
このような詳細まで伝えてくれる医師は信用できます。
彼女はその言葉を聞いて
今までのモヤモヤした気分がスッキリと晴れたそうです。
また、彼女の股関節の状態と手術の必要性について詳しく説明を受けたことで、手術について前向きに捉えることができました。
ちなみに彼女の場合、年齢が79歳ということもあるため、もし5年後急速に悪くなった場合84歳での手術となります。
他の病気などがあれば手術できない場合もあり、下手すると寝たきりに繋がってしまう可能性が高くなります。
現在の彼女の目標は
「足のことを気にせずに、友人と一緒に海外旅行を楽しみたい」
「海外在住の2人の息子のところに毎年訪問したい」
ということです。
今回、信頼のおける医者からハッキリとした診断を受けることによって、彼女は目標を実現するために手術を行うことを決めました。
もちろん、協会としてはその夢が実現できるように最善のサポートを続けていきます。
このブログを読まれている患者さんの中には
「手術をするかしないか?」で悩まれている方がいらっしゃると思います。
その際、まず「自分の人生をどのように生きたいか?」を考えた上で、信頼のおける医師に正確な診断と人生の目標を実現するための具体的な対処方法の選択肢を提示してもらうことが非常に重要となります。
その点についてはこちらの記事にまとめてありますので、ぜひ合わせてご覧下さい。
この記事が少しでもあなたの人生においてお役に立てれば幸いです。
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