人工股関節手術を行った患者さんが知っておくべき「人工股関節再置換術の基礎知識」

       

 

変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。

変形性股関節症を克服するための有効な方法である、人工股関節手術。
実際に人工股関節手術を行った患者さんも多いかと思います。

ただ、協会で相談を受ける中で、私には一つの懸念があります。
それは「人工股関節手術を行った患者さんは、人工股関節の再置換手術についてもっと知っておくべきだ」ということです。

今回は、人工股関節再置換術の基礎知識がテーマです。
人工股関節手術を行った変形性股関節症の患者さんは、ぜひご覧下さい。

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人工股関節再置換術の基礎知識

人工股関節はどのような場合に再置換が必要となるのか?

この問いに対する答えとしては、人工股関節に下記のような状況が見られる場合となります。

・ 人工股関節のゆるみが出た
・ 人工股関節が摩耗した
・ 骨溶解が起きた
・ 人工股関節が破損した
・ 感染が発生した
・ 脱臼した
・ 骨折した

上記のような場合で、かつ股関節に強い痛みがある場合には再置換の可能性が高まります。
術後、定期的に股関節の状態をチェックして再置換の判断を行う必要があります。

人工股関節再置換術にはどんな方法があるのか?

人工股関節再置換術には、いくつかの方法があります。

代表的なものが、骨頭部分の部品交換を行う方法です。
具体的には、骨頭部分の部品だけを交換します。
手術時間は短く、1~2週間の入院が一般的です。

他の方法としては、下記のものがあります。
・ 臼蓋(お椀型)カップだけを交換
・ 骨に埋め込んだステムだけを交換
・ 臼蓋カップ・ステムの両方を交換

ちなみに、両方の人工股関節を交換する場合は新しい人工股関節に取り替えます。

人工股関節手術は骨の状態がよければ最初の手術と同じ程度の時間ですみます。
ただ、骨が欠けている、薄くなっているなど骨の移植や補強が必要な場合は長くなります。
この場合は複雑な手術となるため、8~10週間程度の入院となります。

なお、再置換手術の回数には特に制限はありません。
再置換術をした場合でも日常生活に支障はありません。

人工股関節を長持ちさせるために

できる限り再置換手術は避けたいのが、患者さんの本音だと思います。
患者さんにできることとしては、感染予防、骨折予防、減量、運動、体のケアがあります。

手術した部分を傷つけない、転ばない。
骨粗しょう症にならない。
人工股関節への負担を少なくするために減量する。
人工股関節周辺の筋力強化、運動後の体のケア。

これらに気を使うことで、再置換の可能性が大きく下がります。

人工股関節手術を行った患者さんは

最低限上記の内容については押さえて下さい。

人工股関節手術が終わったら痛みがなくなるため、ほっとしてしまう気持ちは分かります。
ただ、気を付けなければ再置換手術が必要となります。
この記事をきっかけに、できる限り再置換を回避するように気を引き締めて下さい。

この記事が少しでも役立つことを願ってやみません。

 


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