変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
変形性股関節症の末期になると、日常生活が本当に大変になっていきます。
例えば仕事。
この記事やこの記事に書いたように、普通に仕事をこなすのも大変になっていきます。
そして、もっと大変になるのが、家事。
今日は、仕事と同じくらい相談されることの多い、変形性股関節症の末期での「家事のリアル」をお伝えしようと思います。
変形性股関節症と診断されて不安になっているあなた。
末期まで進んでいて、家事へのつらさを感じているあなた。
何か参考になる部分があるかもしれません。
ぜひ、ご覧ください。
末期は家事ができなくなる
変形性股関節症の末期では、以前のように家事ができなくなります。
なぜなら、末期は股関節の可動域(股関節を動かせる角度)が極端に狭まってくるため、家事に必要な様々な動作そのものができなくなるからです。
ここから、私自身がつらかった家事について、対処と合わせて3つ挙げてみます。
掃除
一つ目は、掃除です。
掃除では、重い掃除機を持つのがきつくなります。
もっと大変なのが、コードがある掃除機でのコンセントの抜き差し。
特に、部屋ごとにコンセントを抜き差しするのが、本当にツラかった。
そのため、私はお掃除ロボットを使用して、掃除そのものをしなくてすむようにしていました。
また、コンセントの抜き差しをしなくてすむように、細部のお掃除にコードレスクリーナーを使っていました。
※詳しくは、こちらの記事にまとめてあります。よければご覧ください。
洗濯
二つ目は、洗濯です。
洗濯そのものは、洗濯機にお任せできるので心配はありません。
問題となったのは、重くなった洗濯物を干すとき。
重い洗濯物をもってベランダに干すのは、正直言って無理でした。
そこで、私の場合は、自分でできるところまでを行い、後は家族の助けを借りていました。
具体的には、まず、洗濯機と隣接している浴室の突っ張り棒に一時的に物干しハンガーをかけ、全ての洗濯物をセット。
ここまでは、私にも何とかできることです。
もちろん、近くに折りたたみ椅子を置き、途中休憩を何度も入れながら行っていましたが。
その後、セットが終わった洗濯物をベランダに干すところは、重くて到底自分ではできません。
特に、うちは浴室とベランダが離れていたため、重くなった物干しハンガーをベランダに運ぶのは夫の役目でした。
私の場合、重い洗濯物運びを家族に助けてもらえましたが、それがむつかしいのであれば、例えば、このような部屋干し専用の折りたたみスタンドを使うと家族のサポートなしで洗濯物を干すことができると思います。
買い物
三つめは買い物です。
買い物も、やはり買い込んだ荷物を運ぶことが一番のネックになります。
そのため、私は毎週末に夫と一緒に買い物に行っていました。
お米、飲み物、日用品など、購入した荷物を夫に運んでもらっていたのです。
今は、ネットスーパーや買い物をした荷物を配達してくれるサービスなどもあるので、上手に使えば家族のサポートなしでもできるかもしれませんね。
また、その後食事を作ったり、食器を洗う際は、折りたたみ椅子を置いて、途中休憩を入れながらおこなっていました。
もっとつらいのが「自分を責めること」
このように、末期は肉体的な制限が出てくるため、家事を一人で行うことがつらくなってきます。
そのため、家事を行う際には、どうしても家族のサポートが必要になってきます。
一回二回ならいいです。
ただ、毎回となると、家族へお願いすることも躊躇してしまうんですよね。
末期では肉体的にもツライのですが、それ以上に
「これまでできたことができなくなり、家族の助けを借りる」
ということへの自責の念が生まれてくるのです。
私の場合もそうでした。
毎回、家族に家事のサポートをお願いするたびに
「これでいいの?」
「いつまで続けていくの?」
とかなり悩むようになりました。
これが、ホントにきつかった。
ただ、いろいろな方の相談を受けて分かったのが「自責の念」はみんな感じているということ。
そして、そのような感情は、同じ経験をした人に話すとかなり軽くなるということ。
私も、当時自責にかられていたとき、人に話せればもっと楽になれたと思います。
もしあなたにこのような自責の念が出てきた場合、ぜひ誰かに話してみてください。
話すだけで、きっと楽になるはずです。
参考になりましたか
末期になると、肉体的にも精神的にも辛くなっていきます。
股関節の状態を見ながらの家事は、あなたなりの工夫が必要だと思います。
この記事を参考にしつつ、前向きに過ごされることを願ってやみません。