変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
「手術後、思い描いていたような生活を送れない」
「手術後すぐはよかったけど、時間が経つと別の場所の具合が悪くなった」
私の協会活動を通じて、手術後の患者さんからよく聞く言葉です。
このような患者さんを見ていると
一つの共通点があります。
それは”ポイントを押さえた術前・術後リハビリができていない”ということです。
術後、思い描いていた通りの日常生活を取り戻し、生きがいを感じながら暮らすためには、”正しい術前・術後リハビリ”を行うことが欠かせません。
今回は、術前・術後リハビリを正しく行うためのポイントをお伝えします。
術後調子がよくないと感じている方だけでなく、手術を決めた患者さんもぜひご覧ください。
冒頭お伝えした通り
術後、以前のような日常生活を取り戻し、生きがいを感じながら暮らすためには”術前・術後リハビリを正しく行うこと”が本当に重要となります。
このことは、私自身がしっかりと術前・術後リハビリを行うことで何不自由ない日常生活を取り戻せていることだけでなく、協会でサポートする多くの患者さんの様子を見ていても確信をもって言えます。
では、術前・術後リハビリを正しく行うためには、何が重要となるのでしょうか
まず始めに重要なのが
患者自身が”正しいリハビリ運動”とは何かを正確に理解することです。
”正しいリハビリ運動”とは、”患者自身のその時々での症状や身体の状態に最適な運動内容・負荷・回数でリハビリ運動を行うこと”を指します。
ただ
冒頭でお伝えしたような悩みを持つ患者さんと接していると、そもそも”正しいリハビリ運動”とは何かを理解していない方が多いことに驚きます。
例えば
・最初に病院で教わったリハビリ運動だけを続けてしまう
・自己判断で勝手に回数を増やす
といった形で、本人としてはよかれと思って”正しくないリハビリ運動”を行ってしまうのです。
そうではなく
”正しいリハビリ運動”とは
・リハビリの際に常に自分の股関節などの身体の状態を正確に把握し
・その状態に合うリハビリ運動を、正しい回数・やり方で行う
ことである、ということをまずはきちんと理解してください。
上記を踏まえて
入院前（術前）のリハビリ運動を行うためのポイントとなるのが”正しいリハビリ運動”をサポートしてくれる病院を選ぶことです。
具体的には、
・リハビリを重視し、変形性股関節症の深い知識と手術経験を持つ医者の手術を受けられる
・患者の状態を正確に把握し、その時々の状態に最適なメニューを指導できる理学療法士がいる
・可能な限り長い間入院ができる。
という病院を探すことが重要です。
”正しいリハビリ運動”を行うためには、どうしても患者だけの力では限界があります。
そのため、リハビリ運動をうまくサポートしてくれる病院の存在が絶対に欠かせないものになるのです。
ちなみに
上記に入院期間を条件としているのは、最近数日～1週間程度の超短期間で退院させる病院が増えているためです。
超短期間の入院では、うまくいっても杖歩行レベルの回復しか見込めません。
つまり、退院後すぐ日常生活に戻ることは困難です。
これは主に保険診療に関する病院側の経営的な理由が大きな要因なのですが、患者の視点で見ると本当に残念でなりません。
退院後（術後）のリハビリ運動のポイント
次に、術後のリハビリ運動のポイントです。
それは、ずばり”継続すること”に尽きます。
退院後のリハビリでは、基本的に術前や入院中に取り組んだ運動メニューを行います。
ただ、手術を行うと患者は股関節の痛みを感じなくなります。
そのため、自己判断でリハビリを止めてしまう方が本当に多いのです。
私も元患者ですので、多くの患者さんが「股関節の痛みがなくなったからもうリハビリはいいだろう」と感じてしまう気持ちについては理解できます。
ただ、その結果として起こりがちなのが
股関節にトラブルが発生したり、最悪の場合は人工股関節の再手術が必要になることです。
術後にリハビリ運動をやめてしまうとまず起こるのが、必要な筋力を維持できなくなります。
そうすると、不足する筋力をカバーしようと身体の他の部分が無理をしてしまいます。
結果として股関節に負担が蓄積していき、トラブルが発生してしまいます。
またリハビリ運動をやめると、闘病中に長い時間をかけて身に付いてしまった、跛行などの”変な歩き方・動き方の癖”を矯正する機会を失います。
こちらも同様に股関節への負担をかけることになるため、股関節のトラブルのみならず、最悪の場合は人工股関節の再手術につながるケースがあります。
そうならないために
退院後も”正しいリハビリ運動”を継続し、日常生活に必要な筋力を維持しながら姿勢や歩行の癖を矯正することが肝心です。
その際は、病院だけでなく、セカンドオピニオンの意味からも技術のある専門家に併せて見てもらってください。
術後思い描いた生活を送るために
今回お伝えしたポイントを踏まえ、術前・術後リハビリに継続的に取り組んでください。
”正しいリハビリ運動”がどのようなものかよく分からない、などの疑問をお持ちの方は、個別相談付きメディカル・アロマケア個別体験会や井口由紀子の個別相談でアドバイスをさせていただくこともできますので、うまく活用してください。
この記事が、患者さんにとって少しでも役立つことを願ってやみません。
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