変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
変形性股関節症の手術を控えた患者さんは、術前は不安でいっぱいです。
協会では、そんな不安な気持ちを抱えた患者さんの相談を受けることがあります。
そこで感じるのが、患者さんの中には、術後の回復をうまく進めるために知っておくべきことが曖昧になっているケースが意外と多い、ということ。
実際には、変形性股関節症の克服には術後の方がむしろ重要であるにも関わらず、です。
そこで今回は、手術を控えた患者さんに向けて、手術を受けた後に必要となる心構えや必ず押さえておいた方が良いポイントを3つお伝えします。
手術前の今のタイミングに、ぜひ押さえておいてください。
人工股関節手術後に大切なポイント3つ
1.禁忌動作を理解する
禁忌動作とは、例えばあぐらをかく、など手術後にやってはいけない動作のことです。
内容は手術のアプローチ方法によって異なりますが、ほとんどの病院では禁忌動作についての指導があります。
ポイントとなるのは、退院前に注意事項や禁忌事項をまとめた資料を必ず熟読し、自分の生活に置き換えた上で「具体的にどう行動すればよいのか」を理解しておくこと。
どうすればよいか迷ったら、退院前に必ず医師や理学療法士などに確認しておきましょう。
2.術後は日々慎重に行動する
これは当たり前と思われるかもしれませんが、術後に股関節の痛みがなくなると、人はだんだんと慎重に行動することから意識が逸れていきます。
結果として、人工股関節のトラブルにつながったり、最悪の場合再置換が必要になることも。
特にこの傾向は、スポーツ経験がある人ほど強くなるように感じておりますが、術後すぐにガンガンと運動してしまうことは、個人的には時期尚早だと思います。
決して自分の体を過信しないでください
手術後は、骨の中に人工股関節が入っているわけですから、術後のトラブルを避けるために、禁忌を犯さない日々の慎重な行動を常に意識してください。
特に、両側同時に人工股関節手術をした場合は本当に細心の注意が必要です。
術後、回復には時間がかかります。
長い目で、慎重な行動を前提に日々生活していくことが重要です。
3.術後リハビリについて
手術を行うと、術後1年間は特に脱臼リスクが高くなります。
そのためこの期間は、負荷を慎重に設定した上でリハビリを行う必要があります。
運動経験者に多いのですが、この期間のリハビリについて、自分の判断で運動の負荷を上げるケースがみられます。
結果として体に負荷がかかり過ぎてしまい、別の部位に違和感が出てしまうことも往々にして起こります。
物事をあせって進めても良い結果は生まれません
術後のリハビリは、自分の身体の状態、股関節の状態をきちんと把握した上で、慎重過ぎるぐらいに行うことがちょうどよいと感じています。
これは本当に大事なポイントなので、ぜひ頭の中に入れておいてください。
ちなみに
術後に専門家のリハビリ指導を受けている患者さんもいらっしゃると思います。
そのような方にお伝えしたいのですが、ひとまず自分の考えは横に置き、リハビリメニューを素直に受け入れて実践するようにしてください。
もし負荷が物足りなくなった場合は、面倒でも、都度専門家の意見を聞いてください。
先ほどお伝えしたように、自分勝手な解釈で運動の強度を上げてしまうことは、かえって体に負担をかけてしまいます。
お伝えしたポイントを全て実践することで
私は変形性股関節症を克服することができました。
私の場合、両側の股関節を別々に手術したのですが、現在では同年代の健康人と同じレベルの筋肉量まで回復しています。
日常生活や仕事を何不自由なく送ることができるだけでなく、下の動画のような運動をこなせるまでになっています。
今回お伝えしたポイントを十分に意識することで
術後の回復、ひいては変形性股関節症の克服に向けてしっかりと歩を進めることができます。
もしわからないことや相談したいことなどがあれば、【個別相談付き】メディカル・アロマケア(股関節ケア)体験会や個別相談を通じて聞いてください。
この記事が術後のリハビリ生活に役立つことを願ってやみません。
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