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変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
「手術さえすれば痛みから解放されて、思い描いた日常生活を過ごすことができる!」
手術を決断した患者さんの中には、そう考える方も多いと思います。
ただ実際には、「思い描いていた日常生活を送ることができていない…」と感じる患者さんも少なくありません。
その大きな理由の一つが
「術前・術後のリハビリが十分にできていないこと」です。
特に最近、このような患者さんにお目にかかることが多いため、今回は、手術後”思い描いた日常生活”を手に入れるために大切な「術前・術後リハビリ」についてお話しようと思います。
手術を決めた患者さんだけでなく、手術後の患者さんにも押さえていただきたい内容です。
ぜひご覧ください。
手術後”思い描いた日常生活”を手に入れるカギ「術前・術後リハビリ」
冒頭でお伝えした通り、手術後に快適な日常生活を送るためには、術前・術後のリハビリをしっかり行うことが欠かせません。
実際、私の場合も、”正しく”リハビリ運動を行うことで、手術後”思い描いた日常生活”を過ごすことができています。
私だけでなく、下記のように、協会でサポートしている多くの患者さんにとっても同様の結果が出ています。
・【変形性股関節症】たった3年で「登山やスキーを再開できた!」リハビリと股関節ケアの継続で夢を実現した患者さんの話
・【変形性股関節症】驚きの改善!伝い歩きしかできなかった私が今では一人で沖縄旅行に!自信がついて前向きになりました
では「術前・術後のリハビリをしっかり行う」とは
具体的にどういうことなのでしょうか。
これまでの経験から、私は次の2つがその答えになると考えています。
1.術前から”正しい”リハビリ運動を行うこと
2.術後も継続して正しいリハビリ運動に取り組むこと
この2つは両輪となるものであり、どちらが欠けても思い描いていた日常生活を手に入れることは難しいです。
1.術前から”正しい”リハビリ運動を行う
これは、より正確にお伝えすると、患者自身の「その時々の症状や身体の状態」に応じた運動内容・負荷・回数でリハビリ運動を行うことだと言えます。
「その時々の症状や身体の状態」というのが重要で、リハビリ運動に際しては、常に自分自身の股関節の状態を正確に把握し、その状態に合うリハビリ運動を、正しいやり方で行うことがキモになります。
そのために大事なのが、適切な病院選びです
より具体的に言うと、
・変形性股関節症に詳しく、リハビリを重視する医師の手術を受けることができ
・その時々の患者の状態に合わせたメニューを提案できる理学療法士が担当に付き
・可能な限り長めの入院期間を確保することができる
そんな病院が”適切な病院”になります。
特に気を付けたいのが入院期間
なぜなら、最近では数日~1週間程度の非常に短い期間で退院させる病院が増えているためです。
このような超短期間の入院では、うまくいったとしても杖歩行ができるレベルの回復しか見込めません。そのため、退院後すぐに”普通の日常生活”を取り戻すことは非常に難しいです。
実はこの点が、冒頭でお伝えした「術前・術後リハビリがきちんとできていない患者さんが多い」という大きな理由の一つにもなっています。
こうした状況を避けるためにも、適切な病院選びは本当に大切です。
2.術後も継続して”正しい”リハビリ運動に取り組む
2つ目のポイントについて、特に重要なのが「継続して」という部分です。
退院後のリハビリでは、術前と入院中に取り組んできた運動メニューを行うことが基本となります。ただ、手術後は股関節の痛みを感じなくなるため、自己判断でリハビリを止めてしまう患者さんが本当に多いです。
私自身も手術を経験したため、そう考える気持ちは分からなくはないのですが、自己判断でリハビリを止めてしまうと、股関節のトラブルや、最悪の場合人工股関節の再手術が必要になる可能性が大きく高まります。
なぜなら
変形性股関節症は非常に長期間に渡る病気であり、病気の進行と共に患者さんは強い股関節の痛みにずっと悩まされることになります。そんな痛みを少しでも和らげようと、患者さんの多くが跛行などの”変な歩き方・動き方の癖”を身につけてしまうためです。
この癖は長い期間をかけて身についたものであるため、人工股関節にして痛みがなくなったからといって、すぐにはなくなりません。
リハビリを”継続”しない場合はその癖が残り続けることとなり、股関節に負担をかけることになります。その結果、最悪の場合には他の部位に痛みが出たり、人工股関節の再手術につながることになるのです。
人工股関節のトラブルや他の部位の痛みを避けるために
退院後も”正しい”リハビリ運動を通じて、日常生活に必要な筋力の維持や姿勢・歩行の癖の矯正を継続することを意識してください。
その際、強くおススメするのが、技術のある専門家にチェックしてもらうこと。
正直に言って、自分一人では”正しい”リハビリ運動を継続することが難しい場合が多いです。
手術後”思い描いた日常生活”を手に入れるために
”正しい”術前・術後リハビリを継続してください。
一人で悩まれている方、疑問や質問をお持ちのある方は、協会で個別相談付きメディカル・アロマケア個別体験会や井口由紀子の個別相談も主催しておりますので、うまく活用していただければと思います。
この記事が、患者さんにとって少しでも役に立てば幸いです。
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