変形性股関節症と正しく向き合う会の代表理事、井口です。
股関節に違和感があり病院に行く。
医者から変形性股関節症と診断され、
「いずれ手術を検討した方がよいですが、しばらくは保存療法で様子を見ましょう。」
と言われる。
医師からの手術という言葉に大きなショックを受けつつ、言われるままに保存療法を開始。
いつ手術をするのか、それとも保存療法を継続するのか迷いながら不安な日々を過ごしていく。
これは
よくある変形性股関節症患者のケースです。
ただ、保存療法か手術かという重要な判断をする際、一つ考えてほしいことがあります。
今日は、どうしてもそのことをお伝えしたくて記事を書きました。
ぜひご覧下さい。
冒頭のケースでも紹介した通り
変形性股関節症の場合、医師はなるべく手術を先送りすることを勧めます。
それは、可能な限り人工股関節の再置換手術を回避するためです。
女性の場合
変形性股関節症と診断されるのは、特に、40代~50代です。
この年代は筋力が著しく低下するため、股関節の負担が増大します。
結果として、股関節の違和感が顕在化しやすくなるのです。
一方で、人工股関節の寿命は20年程度。
最近は寿命が長くなっているとはいえ、術後一定期間を過ぎると再置換手術が必要となる可能性が非常に大きくなります。
そのため、多くの医者は再置換手術を回避しようと60歳までは保存療法を勧めるのです。
その場合に多くの患者に訪れるのが
股関節の痛みと闘いつつ、保存療法か手術かで迷いながら先の見えない不安を感じる生活。
40代、50代という、子育ても一段落して女性としても一番充実した時間を過ごすことができる年代を、そんな不安に苛まれる環境で過ごすのが本当によいのか、という疑問です。
そうならないために
保存療法か手術かを決める際にぜひ考えてほしいことがあります。
それは「これからの自分の人生をどのように過ごしていきたいか」ということです。
私は私自身の闘病経験から、たった一度の人生を悔いなく送るためにはこの問いについて深く考えることが必須だと実感しています。
私自身の闘病経験
私は
50歳で変形性股関節症と診断され、60歳以降に手術をする方がよいと最初の医師からアドバイスされました。
そして、保存療法を開始。
次第に辛くなる股関節の痛みと闘いながら、手術か保存療法かで迷いながら先の見えない状況で不安な日々を送っていました。
そんな不安が大きくなった結果、このままでいいのかと現状に疑問を感じるようになりました。
「自分自身の50代という人生で最も充実した期間をこんな不安な状態で過ごしてもいいのか。」
そこで、これからの自分の人生をどのように過ごしていきたいのか真剣に考えたのです。
結果、これからの人生、仕事を通して自己成長していきたいという強い願いに気付きました。
そう決心した私は
信頼関係が築けなかった最初の医師と決別し、手術経験が豊富でリハビリを重視している医師を探すことにしました。
3年後にようやく信頼できる医師との出会いがありました。
そして、2010年、53歳の時に左側の人工股関節手術。
2012年、55歳の時に右側の人工股関節手術を受けました。
この時点で発症から既に5年。
私は、大切な10年間の半分を手術とリハビリに費やしてしまったのです。
振り返ってみると
2007年に診断された直後から信頼できる医師探しをもっと積極的におこなっていれば、もう少し早く手術することもできました。
これは、今でも私自身の後悔になっております。
ぜひ立ち止まって考えて下さい
このブログを読まれている方の中には、手術か保存療法で悩まれている方がたくさんいらっしゃると思います。
ただ、決断の際に自分の人生をどのように過ごしていきたいかを考える時間を作って下さい。
インターネットなどで患者の体験談を知る機会もほとんどなかった私の闘病時代とは違い、今はこの記事のような体験談も知ることができます。
ぜひ、私の経験を少しでも役に立ててください。
なお、本記事では手術をお勧めしているわけではございません。
その点にご注意いただければ幸いです。